店長日記

ハモン・イベリコ・ベジョータとワインのマリアージュ

ハモン・イベリコ・ベジョータはグルメ中のグルメであり、その味を最大限に引き出すために、ぴったりの飲み物が必要不可欠です。

その証拠に、多くの専門家がこの洗練されたハモン・イベリコに合う「ある種類の」飲み物をお勧めしています。 さて、イベリコ豚の生ハムに合う飲み物とは?ハモン・イベリコとの最高マリアージュを探していきましょう。

マリアージュ

生ハムとワインのマリアージュ

「マリアージュ」という単語はフランス語で結婚を意味します。また、別々のものが完全に調和した状態のことを表す時に使います。 特に料理においては、別々の食材が組み合わさることによって新らしい調和を生み出すときに「マリアージュ」と表現します。例えばチーズとワインであったり、お肉とソースであったり。 専門家の中にはマリアージュ(結婚)ではなく、ハーモニー(調和)という単語を使う人もいます。

レストランでそれぞれの料理に合わせてワインをお勧めしてくれるプロのソムリエの存在はとても大きいのです。常に最良の組み合わせを追求するソムリエの仕事は、多くの知識と高い技術が要求されます。味、香り、舌当たりといった特性を理解して、最高の美味しさを提供しなければなりません。

ハモン・イベリコ・ベジョータはグルメな食材として有名で、完璧なマリアージュを実現するのにいくつかのルールが存在しています。

マリアージュのルール

マリアージュのコツは、ハモン・イベリコもワインも、何世紀にも渡って職人たちの手で作られてきたという事実をまず再認識することです。 ワインは種類や熟成度合いによって様々に分類されています。

  • 甘口
  • 辛口
  • クリアンサ(赤ワイン:2年熟成、白ワイン・ロゼ:1年半熟成)
  • レセルバ(赤ワイン:3年熟成、白ワイン・ロゼ:2年熟成)
  • グランレセルバ(赤ワイン:5年熟成、白ワイン・ロゼ:4年熟成)
  • スパークリングワイン
  • フォーティファイドワイン

など、ワインの性格によってマリアージュも変わってきます。

そして、長年の研究によってハモン・イベリコには多くの異なるワインとのマリアージュが存在するということが明らかになりました。 原則、塩漬けされた食品というのは、良く冷えたビールやワインなどとの相性が良く、ハモン・イベリコも例外ではないのです。

ハモン・イベリコ・ベジョータの最高のお供

ハモン・イベリコとワイン

少し前までハモン・イベリコ・ベジョータと甘口ワインの組み合わせは健康に良いと考えられていて、好相性だと考えられていました。しかし今では、ワインの甘みがハモン・イベリコの味を壊してしまうため、この組み合わせは最悪なものとされています。

若いワインについては2つの可能性があります。
1つは若いワインでありながらフルボディのもの。これは生ハムの味を隠してしまう傾向があるため、あまり向きません。
一方、軽めの若いワインはハモン・イベリコ・ベジョータと良く合います。

また、レセルバ級の赤ワインはハモン・イベリコとの相性がとても良く、最高の品質のものが組み合わさるとこれ以上ないマリアージュが完成します。

甘口のスパークリングワインは先述の通り良くない組み合わせですが、シャンパンやカバ(スペインのスパークリングワイン)は好相性です。
ポート・ワイン(ポルトガル)、マデイラ・ワイン(ポルトガル)とともに、「世界三大酒精強化ワイン」と言われるシェリー酒も、ハモン・イベリコと理想的な組み合わせになります。シェリー酒は生ハムの風味を向上させ、口の中の余韻をより長くしてくれます。

まとめ

グルメ界の芸術とも称されるハモン・イベリコ。
カバ、フォーティファイドワイン、軽めの若いワイン、品質の良いレセルバ級の赤ワイン、そしてビール。
この5つがハモン・イベリコとのマリアージュを楽しめる飲み物だと言えます。

ふたつが組み合わさって極上の味を生み出すのがマリアージュです。好みのマリアージュを見つけてみてください。

ミシュラン三ッ星レストランが選ぶ生ハムとワインのセット

ガストロノミーボックス

先日より予約を開始しました、美食の宝石☆☆☆Gastronomy Box。

この商品は神戸市内で唯一ミシュラン三ツ星を獲得しているレストラン、カセントとのコラボレーション企画より生まれました。

内容は、2017年4月下旬より毎月1回、3回にわたってハモン・イベリコ、ワイン、オリジナルレシピのセットをお届けするというものです。 当店が扱う5種類の個性豊かなハモン・イベリコに、カセントのソムリエ大山達也氏がワインをセレクト。 さらに福本シェフにはハモン・イベリコを使ったオリジナルレシピを考えていただきました。

コラボレーション

カセントのオーナーシェフである福本伸也氏はイタリア、スペインで修業をされ、彼の料理はモダンスパニッシュと評されることが多いようです。 しかしながら、素材そのものの素晴らしさを引き出すことを信条としており、モダンスパニッシュの枠を超えた料理の数々にゲストたちは舌鼓を打つのです。

そんな福本シェフが初めてアルトゥーロ・サンチェスの生ハムを食べた時、「めっちゃおいしい」と仰っていました。 素材に対して厳しい目を持った方にこの生ハムを認められたことは大変光栄なことでした。

そして、この素晴らしい生ハムを最高の形で味わってもらいたいという想いから今回の企画が生まれました。

カセント

カセント

海と山に挟まれ、自然豊かな神戸の地にお店を構えるカセント。 先述の通り、一つのカテゴリーで括ることのできないオリジナリティーを持ち、国内外からのゲストで最も予約が取れないお店の一つです。 2010年にミシュラン三ツ星を獲得し、現在も維持。

福本シェフは15歳で料理の世界に足を踏み入れ、20歳でイタリアへ。その後スペインに渡り、サンセバスチャンムガリッツ、バレンシアカセントを経て2008年にカセントを神戸でオープンされました。 シェフが作る料理は本当にシンプル。シンプルだからこそ食材の鮮度や組み合わせ、火入れなどにはひと手間もふた手間もかけています。 その日に仕込んだものをその日のうちに使い切ることも徹底されています。

シェフは何事にも本気でぶつかっている、というのが率直な印象です。 料理に対してはもちろん、来店するゲストに対しても、そしてお店のスタッフの方々に対しても。

「何ごとも全力じゃなければ、反省もできない」と福本シェフ。

今回のコラボレーションも全力で臨んでいただきました。

ワイン

5種類のハモン・イベリコに合わせて3種類のスペインワインをセレクト。 これらのワインを選んでくださったのがカセントのソムリエ、大山達也氏です。

大山氏は24歳でソムリエ試験合格、ワインの奥深さと楽しさにのめり込んでいきました。 イタリア、フランス、スペインを得意としていますがカセントにおいてはシェフのお料理に合うワインを重視し、フラットなスタンスでワインをセレクトされています。

3種類のワインはどれも日本ではなかなかお目にかかれない代物です。それぞれのハモン・イベリコとの相性を考えたうえで、ワイン自体の流れも考慮してセレクトされたとのこと。

大山氏のおすすめは第3回目のワイン、Coto de Hayas Fagus。 上質なガルナッチャの特徴である濃厚かつまろやかな口当たりで、スパイシーで香ばしい樽香のアフターを楽しめる逸品です。

ワイン

レシピ

ハモン・イベリコを使った料理と聞いて、皆さんは何を浮かべるでしょうか。 サラダやパスタ、ピザなどは定番ですが、ハモン・イベリコはそのまま食べることがほとんどです。

そこで、カセントの福本シェフには5種類のオリジナルレシピを考案していただきました。 ハモン・イベリコ、ワインとセットでレシピも同封されていますので、ご自宅でも本格的な一皿にチャレンジしていただけます。

下記はハモン・イベリコ・ベジョータを使ったフラン(洋風の茶わん蒸し)です。

ハモン・イベリコ・ベジョータを使ったフラン

スペイン最高峰のハモン・イベリコと、日本が誇る三ツ星レストランが出会い、お届けするガストロノミーボックス。 数量限定で予約を承っておりますので、是非ご覧ください。

美食の宝石☆☆☆Gastronomy Boxはこちら

生ハムのタグ

セボ

ハモン・イベリコは紀元前よりその生産が始まり、大変文化的な要素が強い食材です。高級品としてスペイン国内でも重宝されており、様々なメーカーが生産を行っています。当然、粗悪品とも呼ぶべきものや、グレードを偽って販売をしようとする業者が後を絶たない為、イベリコ豚の品質を厳格に保証する規定が近年ようやく施行されました。

イベリコ豚製品において、以下3つの重要な要素が品質に影響を与えます。

1.製品の種類

 ● ハモン JAMÓN … 豚の後脚を熟成して作られるもの。

 ● パレタ PALETA … 豚の前脚を熟成して作られるもの。

 ● ロモ  LOMO  … ロースを腸詰めにし、熟成して作られるもの。

2.餌・飼育法

 ● デ・ベジョータ    … 放牧され、ドングリや自然の産物のみを食べて育つ

 ● デ・セボ・デ・カンポ … 放牧されるが、主に補完飼料を食べて育つ

 ● デ・セボ       … 放牧されず、飼料を食べて育つ

3.血統

 ● 100%

 ● 75%

 ● 50%

例えば、あなたがハモン・イベリコを購入しようと考えるとき、これらの情報は必ず知る必要があります。そうでないと、血統やどんな餌を食べて育ったか分からない食材を食べるということなのです。

品質管理タグの重要性

先程お話した3つの要素(種類、餌と飼育法、血統)によって、簡単に言うとその製品の価値が決まります。

例えば、「放牧されてドングリや自然の産物のみを食べて育った」「血統100%のイベリコ豚」「後脚を熟成させた生ハム」が一番価値が高く、その分高価です。 製品の外見だけでは分かりませんし、味もメーカーによって様々ですので何とも言えません。

そこで、これら品質の違いを明確にするため、生ハム1本1本には品質管理用のタグが取り付けれられています。 このタグは屠殺の際に装着されますが、そこにはID番号が記載されます。このID番号を使えば製品履歴を確認することができる、所謂トレーサビリティの役割をしています。

また、タグは4つの色に分けられ、色によって上記3つの重要な要素を知ることができます。

黒タグ

純血イベリコ

黒色タグが付いている生ハムは「放牧されてドングリや自然の産物のみを食べて育った」「血統100%のイベリコ豚」を原料としています。

このグレートのハモン・イベリコは全体の10%にも満たない、大変希少なものです。 かつ、純血イベリコ豚は年々減少を続けています。

ハモン・純血イベリコ・ベジョータはこちら

赤タグ

混血イベリコ

赤色タグが付いている生ハムは「放牧されてドングリや自然の産物のみを食べて育った」「血統75%あるいは50%のイベリコ豚」を原料としています。 混血の場合、ほとんどがデュロック種との掛け合わせです。

イベリコ豚は、純血に近いほど成長スピードが遅く、一度に生まれる子どもの数も少なくなります。これを改善し、生産効率を上げるために混血のイベリコ豚を使うのですが、その分イベリコ豚特有の旨味は多少薄まってしまいます。

ハモン・イベリコ・ベジョータはこちら

緑タグ

セボ・デ・カンポ

緑色タグが付いている生ハムは「放牧され、ドングリや自然の産物の他にも補完飼料を食べて育った」「血統100%あるいは75%あるいは50%のイベリコ豚」を原料としています。

血統ももちろん大切ですが、イベリコ豚は脂を筋肉に染み込ませる特性があり、何を食べて育ったかも大変重要になります。 補完飼料を食べている分、上記ベジョータに比べるとあっさりとしています。

白タグ

セボ

白色タグがついている生ハムは「放牧されず、飼料のみを食べて育った」「血統100%あるいは75%あるいは50%のイベリコ豚」を原料としています。 日本ではイベリコ豚と聞くと無条件にドングリを食べて育った豚だと思いがちですが、実はそうではありません。

セボのようにドングリを食べずに育ったイベリコ豚もおり、数だけで見ると最も多く生産されているグレードなのです。

ハモン・イベリコ・セボはこちら

イベリコ豚のランクを知ることで、より愉しめる

このように、イベリコ豚と言っても品質は様々です。

グレードによって味も違えば、例えばワインの合わせ方も変わってきます。

イベリコ豚の生ハムを目の前にして、もう一度ご自分がどのような品質のイベリコ豚を食べようとしているのかを確認してみましょう。 より楽しく、美味しくハモン・イベリコを味わえるはずです。

ボジョレーヌーボー!

11月と言えばワイン好きには堪らない、ボジョレーヌーボーの解禁がやってくる季節。
1年に1度のこのイベントは、秋の風物詩としてもはや定着していますね。

ボジョレーヌーボーとは、フランス・パリの東南に位置するブルゴーニュ地方の南部、ボジョレー地区で作られる新酒の赤ワインを意味します。
その年に収穫されたブドウが良質であるかどうかを確認する意味もあり、毎年作られています。
日本の輸入量は世界一位で、前生産量の約四分の一を占めているそうです!
毎年お祭り騒ぎなのも納得できます…。
ボジョレーヌーボーは比較的リーズナブルな価格ですので、ワインを飲む文化がなかった日本人にとっては大変馴染みやすいのかもしれません。


なぜ解禁日が決められているのか?

ボジョレーヌーボーの解禁日は毎年11月の第3木曜日と決められおり、今年2016年は11月17日(木)。
でも何故、解禁日が決められているのでしょうか。
フランスではしっかりと熟成させたワインしか販売ができないことになっていましたが、ボジョレー地区では収穫したのちのワインを早く売る習慣が19世紀にありました。
1950年頃には新酒の販売が正式に認められましたが、これこそがボジョレーヌーボーが誕生した瞬間でした。
しかし、その後メーカーが収穫後のワインをいかに早く売るかをこぞって競争するようになったのです。
その結果、ワインとして十分に成熟する前に出荷されるようになり、フランス政府が解禁日を指定したのです。


ボジョレーヌーボーを楽しむ

解禁の際、その年の出来具合を評価するキャッチコピーがあります。
例えば2014年は「近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ」、2015年は「我がワイン人生最良のヌーヴォー」などなど。
そして今年2016年は、

「採れたてのベリー系の果実を口の中で頬張ったかのような、瑞々しい味わいが魅力」

だそうです!

そんなボジョレーヌーボーともに楽しんでいただきたい商品がこちら!

【 ハモン・純血イベリコ・ベジョータ・グランレセルバ(ハンドスライス) 】
ミシュラン3つ星レストランでも提供されている究極の生ハム。
熟成期間は最長で60ヶ月に及び、国内で流通している生ハムのなかでは最長です。
これ以上ない甘さと旨味を是非お試しください。

【 サルチチョン・イベリコ・ベジョータ(スライス) 】
スペインを代表するサラミの一種。
イベリコ豚のお肉と天然スパイスを混ぜ合わせたもの。
濃厚さの中に甘みがあって、ワインのお供にぴったりです!

【 ハモン・セラーノ(スライス) 】
世界3大生ハムのひとつ、ハモン・セラーノは白豚を使った生ハムです。
通常8ヶ月熟成を行いますが、当店のハモン・セラーノは16ヶ月以上熟成をさせています。
塩漬け工程をわざと短くすることで、塩で味付けをするのではなく、肉本来の味をしっかり生かした製法をとっています。

当店の生ハムはどれも塩分控えめで、噛むほどに溢れる旨味が特徴。
フレッシュなワインにもぴったりです!

ボジョレーヌーボー

生ハムの刻印について

ハモン・イベリコにはある刻印が存在するのをご存知ですか?
この刻印は「MAPA印」と呼ばれたり「生ハムの身分証明書」と呼ばれたりしています。
生ハム1本1本にこのような証印が刻まれています。
生ハムの刻印

MAPAとはMinisterio de Agricultura, Pesca y Alimentación、すなわち農林水産省を意味しています。

生産者は生ハムが塩漬け工程に入る前にこの証印を与えます。
この4ケタの数字からは品質を左右する大事な情報を得ることができます。
先程の画像をもう一度見てみましょう。
生ハムの刻印

この4ケタの数字(1213)はその生ハムがいつ加工工程に入ったのかを表します。
最初の2つの数字が何週目かを、後の2つが年を意味しています。
例えばこの画像の生ハムは、2013年の第12週目に熟成が始まったことがわかります。
第12週目は3月頃になりますので、2016年8月24日現在では、約3年5ヶ月の熟成期間だと判断できるわけです。

さらに踏み込んでみましょう。
みなさん、このハモン・イベリコのグレードがわかりますか?








それでは正解です。
この場合、3月中旬頃に加工工程が始まったということですが、10月~翌3月までのモンタネーラ(ドングリを食べる放牧期間)を経ていると考えられるわけです。
もちろん100%ではないですが、3月に終わるモンタネーラを経て加工工程に入った可能性が極めて高いことがわかります。
つまりこの生ハムは高品質のベジョータであると推測できます。


まとめ

このように生ハムに刻まれた数字から、熟成期間やグレードを確認することができます。
しかしながら刻印が不鮮明だったり、カビに覆われて拭き取らないと見えない場合も多々あります。
あくまでひとつの目安として覚えておいてくださいね!

生ハムのギネス記録

様々な産地や種類がある中で、世界一の生ハムと称されるハモン・イベリコ。
口に入れた瞬間に溶け出す脂、それと同時に広がる甘く、フルーティーな香り。
長期熟成が生み出す深いコクは、ワインとの相性が最高です。

そして、もうひとつ世界一と言えばギネス記録
何だこれは!というようなものから、超人的なものまで、数多くの記録がギネスに認定されています。

そこで、早速調べてみました。生ハムのギネス。

すると、生ハムに関するギネス記録はいくつか見つかりました。
今回はその内のひとつをご紹介いたします。


生ハムギネス記録

スペイン・バレンシア出身の29歳(当時)の男性が打ち立てた記録とは

長時間にわたって生ハムをひたすら切り続けた

という内容です。

ノエ・ボニージョさんはプロのコルタドール(生ハムをカッティングする職人)で、普段はパリの料理学校で講師をされています。
作業中は1時間に一度5分の休憩が与えられますが、その間もカットを続け、家族と会ったり音楽を聞いたり映画を観るなどしていました。
実は彼、2013年に「32時間生ハムをカットし続ける」という記録を残しましたが、その後別のコルタドールが40時間で記録を更新。
もう一度世界一になりたいと再び記録更新に挑んだのです。

作業中の様子がこちら。
コルタドール

長時間ナイフを握っていると疲れてきますので、このようにカッティングをしてない腕をマッサージしてもらっています。

そして驚いたのがこちら
カッティング

両手…?
これだけでも相当の技術を要するに違いありません。


結果

そして彼が出した記録は、なんと72時間13分8秒
それまでの記録を30時間も更新する新記録を打ち立てました。

この間、48本のハモン・イベリコから合計154.33kgの生ハムをスライスしました。
技術はもちろんのこと、体力、精神力が無いとこの記録は生まれなかったことでしょう。


世界最古の生ハム

スペインの生ハム、特にハモン・イベリコは熟成期間が大変長いことで知られています。
通常24ヶ月程度、長い物では36ヶ月の熟成期間を経ることで旨味を増幅させていきます。
今や熟成肉がブームとなりましたが、ヨーロッパでは紀元前から保存食として生ハムが生産されていました。

当店が扱うアルトゥーロ・サンチェス社の生ハムは最長で60ヶ月もの熟成を行っています。
現在、この60ヶ月という熟成期間は日本で流通している生ハムの中で一番長い物です。

そこでふと疑問が。
世界で一番熟成された生ハムはいったいどれくらいのものなんだろう?


世界最古の生ハム

さっそく調べてみると、2014年に書かれた記事を見つけました。

タイトルは ¿A qué sabe un jamón de 112 años?
日本語に訳すと、「112年ものの生ハムはどんな味がするか?」という意味です。

112年…?
一瞬目を疑いました。

記事によると1902年にGwaltneyという会社が熟成を行い始めたのですが、なぜか倉庫で忘れられたままになっていたそうです。 その後バージニアの博物館に寄付されたとのこと。
保存状態は良く、虫に汚染されたりカビが発生してはいませんが、食べられるかどうかは「わからない」とのことです。
また、100年を超える時間の中で脂肪は酸化し、肉の味は消えているだろうと考えれらています。

食べたいかと聞かれると正直あまり食べたくはないです…(笑)
ここまでくると石のように固くなっているでしょうし、もはや味は飛んでいるでしょう。
これを熟成と呼んでいいのか疑問は残りますが、まさに歴史的産物ですね。
熟成

地理的表示(GI)とは

先日、日本経済新聞の記事で地域ブランド品の保護を目的とした制度が広がっているという内容がありました。
国がその特産品の品質を保証することで、地域ブランドの悪用を防ぐ制度を「地理的表示(GI)」と言います。
GIは国内の特定の産地で、原料や製法にこだわって作られた農産物などに限って認定されています。
有名どころで言いますと、北海道の「夕張メロン」などがこれに該当します。
その他、奈良の三輪素麺や兵庫の神戸ビーフなど、現在では14品目が認定されています。

GI制度のメリットは、生産者にとって悩みの種である偽物の流通を国が取り締まりを行うという点。
そうすることで生産者はブランド価値を守り続けることができるのです。

海外に目を向けると、実に100カ国以上でGI制度が導入されています。
また、TTP(環太平洋経済連携協定)でも、GI制度が採用されています。

生ハムについてもGI制度が存在しています。
そのひとつが原産地呼称制度(D.O.)と呼ばれるものがあります。
詳しい内容については過去の記事をご覧ください。
【参照:ハモン・イベリコが生まれる地域 】

国内におけるこの制度の認知度はまだまだ小さいものです。
例えばヨーロッパにおいて、価値ある食品は必ず伝統やそれが生産される地域と密接な関係があるからです。
長い時間をかけて培われてきた伝統や高度な技術をもった生産者は、その環境を守りたいという情熱を持っています。
土・水・植物・空気…その土地にしか存在しえない要素が組み合わさって生まれる素晴らしい製品。
そのような製品を守っていくためには、時間やコストがかかります。
大量生産、オートメーション化が活発になり、昔ながらの製法にこだわった生産者がどんどん減少していったのです。
これはなにもヨーロッパに限った話ではなく、日本国内においても素晴らしい生産者や製品が消えていった事例が多々あります。

本当に良い物は何かを追求する生産者を守ることがこの制度の本来の目的なのです。
そしてこの制度の活用が広がっていき、私たち消費者自信が生産者の取り組みに注目していく。
そうすることで継承すべき伝統・素晴らしい製品を残し続けることができるのではないでしょうか。

ハモン・イベリコ

ハモン・セラーノ=ハモンイベリコ?

スペインの生ハムと言えば、ハモン・セラーノハモン・イベリコが有名です。
どちらも紀元前から生ハム作りが行われていたと考えられていますが、もともとはすべてハモン・セラーノと呼ばれていました。
少し複雑なのですが、ハモン・イベリコもハモン・セラーノと呼ばれていたのです。

ハモンとは豚の後ろ足を使った生ハムのことで、セラーノとは「山岳の」という意味です。
もともとハモン・イベリコも山の高地で生産されていた為、原料の面からは区別せず、同義語として使用されてきたのです。


パタ・ネグラという名称

1980年代のスペインではこのようにきちんとした定義づけはなされていませんでした。
とはいっても白豚の生ハムもイベリコ豚の生ハムも、両方をハモン・セラーノと呼ぶには抵抗がある人たちもいました。

そうして生まれた言葉がパタ・ネグラという呼び方です。

パタネグラとは「黒足」という意味で、イベリコ豚の蹄が黒いことに由来しています。
白豚の生ハムとイベリコ豚の生ハムを区別するために、この俗称が使われていました。

しかしながら、イベリコ豚の中には蹄の黒くない豚も存在します。 また、現在では主流となった混血のイベリコ豚を生み出すために掛け合わせるデュロック種の豚には黒い蹄のものが多くいます。
このようにパタ・ネグラがハモン・イベリコを指すということが不正確であった為、現在ではこの呼び方は認められていません。


まとめ

1980年代頃までは、ハモン・イベリコもハモン・セラーノと呼ばれていました。
その後、パタ・ネグラという俗称が出回ったものの、消費者の混乱を招く結果となりました。
現在では法律でハモン・イベリコという名称とその基準が定められています。
パタ・ネグラ

ハモン・イベリコのグレード

こんにちは。
厳選輸入食品ストア Foodentic(フーデンティック)店長でございます。

スペインでは消費者に対して正しい情報を提供することを目的に、イベリコ豚の品質について法律で規定がなされています。
最近では2014年に品質規定に関する勅令が公布され、それまで有効であった2007年の規定に変更が加えられています。

イベリコ豚製品を扱うレストラン・飲食店の方々とお話していると、まだまだ新しい規定の公布が知れ渡っていないと感じます。
大きな変更点としては「レセボ」と呼ばれるグレードがなくなったこと。
そのかわりに出来たのが「セボ・デ・カンポ」というグレードです。

もともとレセボは「放牧を行いドングリを食べたものの、規定の体重まで増加しなかった為に飼料を与えた」イベリコ豚が該当します。
セボ・デ・カンポのデ・カンポとは野外飼育という意味で、つまり放牧させたものを指しています。

ちなみにアルトゥーロ・サンチェス社のセボは「セボ・デ・カンポ」、つまり放牧をさせています。 十分な運動量とドングリやハーブなどの穀物をたっぷり食べて育っていますので、他社のセボよりも断然美味しいです!

ハモン・イベリコ・セボの詳細はこちら!


まとめ

2007年の勅令では
ベジョータ
レセボ
セボ・
デ・カンポ
セボ と定められていましたが、2014年最新の勅令では
ベジョータ
セボ・デ・カンポ
セボ
と3種類の呼称となりました。

今一度お使いになっているハモン・イベリコのグレードをお確かめ下さい!


熟成の効果

このブログを読めば生ハムがもっと美味しくなる!

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